電気治療の効果について ~入門編~
整形外科でのリハビリといったら徒手療法と電気治療を行うイメージがあるかと思います。 今回は『電気治療とはどのようなことをしてどのような効果が得られるのか』といった部分を説明していこうと思います。
電気刺激療法とは
生体に電気を流すことにより、神経の興奮などの作用で様々な治療効果を得ようとするものです。様々な種類があり①経皮的電気刺激療法―血流の増加や痛みの伝達を遮断することでの鎮痛・除痛効果を目的とした治療や②治療的電気刺激療法―電気刺激により筋を収縮させ筋力の維持・強化を目的とした治療が主に使われています。この他にも損傷組織の治癒を目的とした治療などもあります。
どんなものを使うの?
当院ではこのような機械(図1)で、吸盤もしくはスティック(図2)を使用し目的部位に対して電気刺激療法を行います。一部、ペースメーカーを使用されている方や妊娠中の方の体幹部などご利用いただけない方もいらっしゃいます。
この他にも、物理療法機器として
低周波治療器(パルス波)1台
乾式鉱石パック加温装置(温熱パック)2台
超音波治療器2台
体外衝撃波治療器1台
超音波骨折治療器2台
ハイボルテージ治療器1台
微弱電流治療器(マイクロカレント治療器)2台
波動型抹消循環促進装置(メドマー)1台
渦流浴装置(バイブラバス)上肢・下肢各1台
を設置しており、患者様の症状にあった機器を使用していただきます。
「電機は強ければ強いほど効果がありますか?」
初めて利用される患者様にこのようなご質問をよくいただきます。結論からいいますとNOです。基本的には患者様が心地よい電気の強さに調節しながら使っていただきます。 その範囲内で強くすることは効果が得られますが、強くしすぎると電気自体の刺激で痛みを感じたり、筋に力が入ることで目的の効果を得られなかったりする場合があります。
最後に
電気刺激療法と聞いたらビリビリして怖いようなイメージがあるかもしれませんが、患者様の状態や症状に合わせて電気の強さを毎回調節しながら使用することができます。もし気になる点がありましたらスタッフまでお尋ねください。
参考文献:小川 克巳 物理療法 理学療法テキストⅨ
渡辺 幸司 リハビリテーションにおける電気刺激療法の展望